第8代国連難民高等弁務官「緒方貞子さん」

複雑化する難民問題

重要な平和の構築と定着

1991年から10年間、UNHCRの第8代高等弁務官を
勤めた緒方貞子さんが(現・国際協力機構理事長)
このほど東京都内で「紛争と難民〜国連活動の一面」と題して
講演をされました。

講演内容は「国連の変容と日本」「難民支援の実態」など
この中で
「大国支配」の形で発足した国連が
グループ・ポリティクスの登場や主権国家自体の揺らぎの中で
大きく変わろうとしている事を指摘されました。

「冷戦期の難民問題と、冷戦後を比較して
米ソの押さえがきかなくなった現在の紛争は
国家が国民を守る責任を果たし得ない内戦や民族紛争であり
この為はるかに複雑化した」と指摘されました。

イラク・バルカン(旧ユーゴ)・アフリカ大湖地域・アフガンなどでの
体験を振りかえりながら
「難民問題は多くの場合、政治の問題として出てくる」として
今後の難民支援は「紛争後の政治解決への働きかけも重要に
なってくる」と強調されました。

人道支援と軍事活動とのかかわりでは
「軍事活動はないほうが良い。しかし、それがなくては人道活動が
出来ないという現実があるのも事実だ。私はこの意味での
軍事活動までは否定しない」と語る。

日本の難民支援については
UNHCRへの拠出金が世界第2位であることを高く評価しつつも
「アフガンなどアジアの近い国への積極的な関与に比べ
アフリカなど、遠い国への対応が鈍いように見える」と語る。

グローバル化が進み、相互依存が深まる世界の中の日本として
より広範で積極的な支援に期待を寄せた。

また、国連に平和構築委員会が立ち上がった事に関連して
日本の国際貢献のありように一定の見直しが必要との
考えも示した。