内戦が一段と悪化

紛争阻止へ国際努力が必要

イラク北部では2007年8月14日
トラックに積まれた爆弾が連続爆発し、500人以上が死亡するという
イラク戦争発生以来4年間で最悪のテロが起きた

イラク情勢は極めて危険な内戦状態に陥っているが
ブッシュ米政権は残る約1年半の任期中は駐留を継続する方針です

2003年3月に始まったイラク戦争で、これまでに
米兵3600人が死亡していますが
イラク人の死者数は10万人〜65万人の説があります

14日の爆弾テロでは、少数派のヤジード教徒が狙われており
従来のイスラム教スンニ、シーア両派の抗争が少数宗派にも広がった

独裁者・フセイン元大統領時代、宗派抗争は力で抑えられていたが
おもしがとれたことで脆弱な宗教モザイク国家・イラクの国家基盤が動揺しつつある

米軍はイラクで米軍への攻撃やテロを慣行する勢力として
1、民主化反対派
2、フセイン政権残党
3、テロ組織・アルカイダ
   などを挙げた

誰が敵で、誰が味方か不透明なことが、イラク情勢の混迷を広げている

ブッシュ大統領はこれまで
「戦後の日本の民主化があれほどうまくいくとは誰も予想しなかった」と述べ
GHQ(連合国軍総司令部)方式のイラク占領をもくろんでいたが
さすがに最近は「戦艦の艦上での降伏式のようなものはないだろう」と
イラク占領政策の誤算を認めた

イラクと日本を同一化した地域研究もお粗末だった

世論調査では
米国民の7割が「イラク政策は誤り」とみなしている

ニューヨーク・タイムズ紙が
「ブッシュ政権が行なった戦争そのものが大災害だった」と書くなど
戦争失敗論が大勢になった

米軍をともに戦争を行なった英軍は漸次縮小しており
米国の孤立が一段と進んだ

米国内でも、議会多数派の民主党が早期撤退を要求している

米撤退なら大虐殺の恐れも・・ 

それでも、十数万の米国が撤退すれば権力の空白を生んで大混乱となり
大量虐殺が起きる恐れがある

多数派のシーア派が政権を握ってスンニ派に報復
シーア派政権であるイランの影響力が一段と強まろう

ブッシュ大領領は9月中旬、議会にイラク報告を提出するが
兵力の現状維持または増派を打ち出す見通しだ

引くも地獄、残るも地獄という閉塞感が現在のイラクの現実だ

今後イラン、トルコを巻き込んだ紛争に発展する恐れがあり
それを阻止する国際努力が必要になる


2007・8(中日 城山達也)より

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